2011年04月11日

●カスケード・サブダクション

こちらの人々にも将来シアトルに起こりうるM9.0規模の地震について関心が高まっているようです。

このM9.0地震は一番最近のもので1700年に発生しています。有名なので知っている方がほとんどかと思いますが、日本の古文書の津波に関する記載によって確実な発生年が判明した地震なのですな。

当時は、この付近にはネイティブ・アメリカンの人のみで、その方達の間では「伝説」のような形でしか言い継がれていないようです。

昨日は地元のテレビ局でその大地震に関する特集を放送していました。

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問題の地震の震源はカスケード沈み込み帯というカリフォルニアのユリーカ沖合からカナダのバンクーバー沖合の方まで、1100kmに渡る断層です。この地震の発生周期は、テレビでは確か500~600年周期と言っていたけど、検索すると300〜600という所もあります。もし300年周期だとすると、もうすでに今現在周期に入っています。

次回来るカスケード沈み込み帯の地震は、シアトルの街が出来てから初めての事になるので、一体どんな事になるのやら。建築中のアパート等を見ていると、パネルをパカパカ貼付けたような建物ばかりですが、大丈夫なんでしょうか。木造五階建てとか普通にありますし…。ここも木造かも。

今回の日本の地震で初めて知ったのは、リアス式海岸と津波の関係です。シアトルもものすごく入り組んでおり、上空から見るとそれは美しい海岸線が見えます。しかし、オリンピック半島に守られているとも言えます。オリンピック半島の西側の海岸に行くと、至る所に津波注意の看板が立っています。

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海面の高さが○mになったら?というのが分かるマップがあるんですな
http://flood.firetree.net/

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それからワシントン州の困った存在、シアトルから直線距離で270kmほどの所にかの有名なハンフォード再処理施設(長崎に投下された原爆のプルトニウムを製造していた所)があります。2000年には火災でプルトニウムを放出してしまったり、傍らを流れるコロンビア川と流域の生態系(あの可愛い可愛いピグミーラビットも含まれるんじゃ…)に影響を及ぼしている大変困った所です。どうか地震対策を強化してくれ…。

2015年に解体?が決まっていた湾沿いの老築化したバイアダクト(パイクプレースと海の間にある高架)を今すぐ解体しようという声も出ています。今すぐ、地震の被害が出そうな西海岸の街の耐震チェックを行って欲しいです。

1700年の地震の研究結果がPDFで読めます(英語)↓
http://pubs.usgs.gov/pp/pp1707/chapters/02_Cascadia_6-25.pdf

さてさて、アメリカ全体の自然災害で言えば、やはりラスボスはイエローストーンですね。先日こんなのを見つけました。富士山の噴火を1とすると、というもの↓

富士山 1 
北海道駒ヶ岳 3 有珠山 3 樽前山 4 浅間山 4 
九重山 5 燧ヶ岳 7
ピナツボ 10
桜島 12
箱根山 14
※横浜まで火砕流に飲み込まれた
摩周湖 19
大雪山 20
十和田湖 56 ※青森県の大半を火砕流が焼き尽くす
霧島山 100
屈斜路湖 150
洞爺湖(有珠山の本体) 170
支笏湖(樽前山の本体) 225  ※火砕流が札幌を飲み込んで日本海に到達
姶良カルデラ(桜島の本体) 450
阿蘇山 600  ※火砕流が九州の4分の3と山口県を焼き尽くす
イエローストーン 2500

…イ、イエローストーン…ぶっちぎりです…。

(おまけ)
今回の東日本大震災で「津波は天罰」発言をしたシーシェパードですが…

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ここが彼らの本拠地ですぜ、サンファン諸島。自分らは津波は大丈夫なん?