2009年10月31日

●ミケランジェロ展

SAM(シアトル・アート・ミュージアム)で開催中のミケランジェロ展に行ってきました。

展示物は、カーサ・ブオナローティの所蔵する作品群。ほぼスケッチ類ですが、いつものSAMの企画展のごとく、非常に小規模な展示です。

スケッチ類は、主にシスティーナ礼拝堂の為のもの(チャーコールで描かれた腕や足等の素描)が多く、でも中にはブオナローティ家の紋章入りディナープレートなんというものもありました。私が一番面白いと思ったのは、三日分の食品リストのメモ書き。ミケランジェロが召使いに頼んだらしきメモで、魚や野菜等のイラスト入り!(コレ

完成した作品を観賞するよりも、そういう日常のメモやらリアルな筆圧を感じる素描は、まるでミケランジェロの息吹を間近に感じる生々しさがありました。500年程も前の人物で、しかもあの偉大なる芸術家ミケランジェロも実際に生きていた生身の人間だったんだ…(笑)

他には、甥に宛てた手紙もありました。内容は「チーズをありがとう。これまでも手紙を送ってくれたのに返事をなかなか書けずすまないね。最近、手が言う事をきかなくて、この手紙も代筆してもらっています」と、ごく普通の良い伯父さん像のミケランジェロ。

その手紙は、彼が89才で亡くなる数ヶ月前のもので、さらに、89才で亡くなる二日前までロンダニーニのピエタ像を言う事のきかない手と目で制作していたそうです。

ミケランジェロの作品を見たというよりも、今回の展覧会のタイトル(Michelangelo Public and Private)どおり、ミケランジェロの日常の一ページを垣間みたような展覧会で、これはこれで中々面白い切り口でした。変にレプリカ等がなくて良かったかもしれません。

ミケランジェロの「作品」を見たければ、やはり現地で本物を、ですな。いつか本当に行きたいなぁ〜!!

ミケランジェロ展から戻った後、色々検索して面白そうな本を見つけました。「ミケランジェロの暗号」という本。システィーナ礼拝堂に描かれたミケランジェロのメッセージについての謎解き本のようです。

カーサ・ブオナローティとは、1612年ミケランジェロの又甥によって設立された、ミケランジェロとその関連の作品を保存・展示しているフィレンツェにある博物館だそうです。その家屋はかつてミケランジェロ自身が住んでいた所でもあるそうです。ちなみに、ブオナローティはミケランジェロの苗字です。