2010年12月08日

●ピーター・フック - unknown pleasuresツアー

つい先日、シアトルにピーター・フック(フッキー)が来る事を知りました。ピーター・フックは私が好きなバンドの一つ、ジョイ・ディヴィジョン(※参照)のベーシストです。数年前にもシアトルに来ています。しかし、その時はDJという事で行きませんでしたが、今回はなんとジョイ・ディヴィジョン時代の曲を演奏するとの話。しかし、やはりフッキーという所にちょっと不安感。

昨晩は、途中で友達を拾って会場であるパイクプレースのショウボックスへ

会場に到着したのが8時前。開場まで雨の降る中待たされてやっと中へ。9時半頃過去の映像やインタビューを交えたドキュメンタリー映像を見せてくれて、10時過ぎにやっと出て来た、ピーター・フックとそのバンドThe light!

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「ジョイ・ディヴィジョンやって文句あるか〜!?(威嚇)」

いやぁ〜、前から分かってた事だけど

おっかないよ、フッキー(笑)
これぞフーリガン代表という風貌というか、もっと酷く言えば10人位人を殺してるという顔をしています。しかし、それより以前からお友達のぽこ森さんと話していたけど、ぽこ森さん曰くの「背後に大漁旗が似合う」…まさにそうです。また、下町の長屋に住んで、一升瓶片手に酔っぱらいながらちゃぶ台を足で蹴飛ばしている日常をかいま見た気分というか。イギリス人なのに何故かステテコが似合いそうなその風貌。しかし、頭はソフトモヒカン。

相変わらず、フッキーはベースのストラップが超ロング。いくつになってもストラップは超ロング。そして、今日は一体誰が歌うんだろうと思いきや

フッキー自身が歌うんだったんだ…。

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「オレ様、これがないと歌えないんだよ…(アトモスフィアはかなりのカンニング率でした)」

しかし、のっけから会場は大盛り上がり。しょうみな話、全く期待してなかったけど…すごいパワフルで熱いよ熱い!(笑)

やはりフッキーも含めて非常に地味な見た目のメンバーですが、音だけ聞くと血がたぎる!ギタリストはギターがうまそうな顔したおにいさん、ベーシストはエジプトのミイラ棺に描かれた肖像画に似ており(追記:なんと、フッキーの息子ジャックでした。笑!)、ドラムとキーボードはフッキーと同世代な感じの人々、非常に地味です。それだけに本気を感じた(笑)

それよりなにより驚いたのは

フッキーのヴォーカルがイアン・カーティスとかぶってる?ふしぎ!
声が低いってだけかもしれない。

お出かけ前に、ぽこ森さんから気付け薬としてバーナード・サムナーの歌うジョイ・ディヴィジョンの曲(2005年のフジロックのもの)を聞かせてもらったおかげかもしれません。バーナード・サムナーの歌、ひどすg…

そんなわけで、隣の隣のお姉さんをチラ見したら始終目を瞑って演奏を聴いていました。確かに、目を開けるとステテコに大漁旗を背負って演奏しているフッキーが見えて、目をつぶるとジョイ・ディヴィジョンが見える。バーナード・サムナーの歌、ひどすg…(大事な事なので二回)

今回のライブ、ジョイ・デヴィジョンのunknown pleasuresというアルバムを中心に演奏していました。今年はイアン・カーティス没後30年という事で、命日の5月18日、フッキーはこのメンバーでライブをし、その流れでの北米ツアーのようです。

結局、アンコールは二回。二回目のアンコールには会場からのリクエストでセレモニーを演奏して会場の床が抜けそうな程盛り上がりました。会場の手応えが良かったせいか、フッキーの強面も崩れて笑顔で去って行きました。その後も皆会場を離れないでアンコールをせがんだけど三度目はなかったです。

…なんだか余計イアン・カーティスで見たかったです。30年も前に亡くなった人をも恋しくさせるフッキーマジック!

全く期待しないで興味本位だけで出かけた私たちは良い意味ですごく裏切られ、マダムもゲイリーニューマン時並みに暴れており「行こうと誘ってくれてありがとう!!予想に反して最高だった!」と大絶賛。"ジョイ・ディヴィジョンの遺産を金に換えている(by マニ)"とか言われても、あの時代にリアルで見られなかった私にはこの日のライブは大いに興奮しました。フッキーのレベルが10上がった。

↓unknown pleasuresのイラスト(これ、山のイラストかと思ってた。笑)がアメリカにかたどられたデザインのTシャツをゲット。日本列島だとちょっとキツいね。

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※ジョイ・デイヴィジョンは70年代後半に活動したバンド。80年の北米ツアー出発前日にヴォーカルのイアン・カーティスが突然自殺。その後、残ったメンバーはニュー・オーダーを結成しました。