●Blow Up
昨日のニュースで、イタリアの映画プロデューサー、カルロ・ポンティが亡くなったという報道がありました。
彼の手がけた作品で私の好きな映画は
Blow Up
1966年度の作品で、監督はミケランジェロ・アントニオーニ。
観る前は、監督がアントニオーニだという事も知らなかったので、あの有名なポスターから連想してただ単に軽いオシャレ映画だと思っていました。(失敬)
非常に難解な映画ですが、面白い。
主人公の写真家トーマスが公園で一組のカップルを盗撮。現像して引き伸してみると、殺人事件に繋がる場面を撮影していた事に気がつく。公園へ戻ると、カップルの男性の方の死体を発見。翌朝、死体を撮影する為にカメラ持参で再び公園へ戻ると、不思議にも死体は跡形もなく消えていた。
そして、最後のシーン。
パントマイマーが見えないテニスボールを手にテニスをしている。そのボールがコートの外に出てしまい、それを観ていたトーマスに、ボールを取ってくれと促す。ボールをコートに投げ入れる振りをするトーマス。
最後にトーマスの顔がアップになり、それと共にないはずのテニスボールの音がコートの方からポーンポーンと聞こえて来る。
この映画が語られる時に、実存だとか虚構だとかという言葉とともに語られるけど、それが最後に登場する「ないはずの」ボールの音に象徴されている感じがします。
まぁ、自分でも良くわかりませんが、取りあえずこの映画を観るとフィルムカメラをいじってみたくなります。トーマスの生活スタイルもカッコ良いです。そして、そしてそして!
ヤードバーズのシーン、個人的に若い頃のジミー・ペイジが必見。あんなカワイイ頃があったんですね(youtube)。本来はThe Whoが出演する予定だったそうです。それでピートではなくジェフ・ベックがギターを壊してると。さらに、ジェーン・バーキンもちょこっと出ています。
さらに、主演のデイヴィッド・ヘミングス(写真家トーマス役)…2003年に亡くなったそうですが、そのBBCの記事にビックリ(ココ)…この眉毛のおじさまは誰でしょう状態(↑上画像)。Blow Upの頃の面影が全くないのですが!?しかも、あの眉毛は何を表現していたのでしょうか!?このヘンも不条理であります。
という事で、カルロ・ポンティ追悼Blow Up編でした。
さらに今日は、夕方にMcNaught彗星を観察。肉眼でもはっきり尾っぽまで見えました。写真はスーさん撮影。(建物の真上に白い点と尻尾が見えます…)↓