●ヘンリー・ダーガー展
ポールに誘われて、フライ・ミュージアムのヘンリー・ダーガー展に三人で行って来ました。
「ヘンリー・ダーガーって知ってる?」ポールは、頭をトントンと指さしながら「ちょっとアレな人なんだけど…女の子が主人公の絵を描いてて…」と聞いて来ました。
その時はピンとこなかったけど、しばらくしてから思い出しました。
確か日本にいた頃、彼のお話をアンビリバボー系の番組で見た事があったっけ。
まさか、そのヘンリー・ダーガーの作品を見られるなんていいチャンスと、喜んで出かけて来ました。
ヘンリー・ダーガーについて
1892年ー1973年
シカゴ生まれ。幼くして両親と死別。カトリック施設で育てられるが、感情障害の徴候が現れ、知的障害児用の施設に移される。しかし、実際には精神遅滞ではなかったらしい。19歳でそこから抜け出し一人暮らしを始めた頃、少女達を主人公とした物語を執筆。その後、大長編絵巻?としてそれをイラスト化。
これらの作品は、彼が81歳で死んだ後アパートの管理人によって発見され、作品が日の目を浴びる事になる。
絵を学んだことのなかった彼は、広告、雑誌などから人物をトレースして自分の絵に使用したそうです。今回も、多くのトレースされた下書きの中には
あの有名なコパトーンの女の子(スーさん発見。笑)
までありました。そのトレースした下書きを元に、それらを組み合わせて物語の世界を絵にしていくのだけど、それが本当に長編。細部まで凝っていて、しかし細かく描写していると思うと、いきなり雑誌から切り抜いたカエルの絵が貼付けられていたり、コミックのキャラクターが突然貼付けられていたり…。それらもひっくるめて、彼の独特な世界が幾枚もの画用紙に表現されていました。
しかし、絵の知識が全くなく広告のイラストを模写して組み合わせて描かれた絵にしては、何気に遠近法があったり構図も考えられてたような気がします。どうしても絵にくっついて間近で鑑賞してて、全体はあまり見てないけど…。
彼についてのドキュメンタリーフィルム、IN THE REALMS OF THE UNREALを見てから行けば良かったと後悔しました。ちなみに、このフライ・ミュージアムは入場料が無料なので、近いうちにドキュメンタリーフィルムを見る事ができたら、もう一回行こうかと思います。
画像はミュージアムショップで買って来たダーガーの画集、35ドル也。