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2006年10月23日

●死者の書と死海文書

deadsea.jpg前々から、パシフィック・サイエンス・センターの前を通りかかると、世界史に登場するある有名なモノの公開展示の巨大広告を目にしていました。

何日か前その展示に行きたいと思い、スーさんに「book of the dead(死者の書)見にいこうよ!」と言ってみた。

しかし、答えは
「ん??いいけど、dead sea scrolls(死海文書)でしょう?」

あぁ…展示物を頭の中で勝手に変換していた自分…。

ちなみに「死者の書」は、古代エジプトにおいてミイラとともに埋葬された巻物。ヒエログリフと絵で、死者があの世に行くまでを図解したものです。→無限空間さんの、このページに詳しいです。

これは面白そうだなぁ…。しかし、あくまでも今回開催されているのは死海文書。
うーん、ユダヤ教の人とか、あと聖書好きにはたまらない展示かも?あと、エヴァンゲリオン?

というわけで、wikiの死海文書の説明を自分に分かりやすくするため簡略化してみました。

○1947-1956年にかけて、死海北西の洞窟で発見されたヘブライ語聖書の断片を含む写本の集まり。
○ヘブライ語、アラム語、ギリシャ語等で書かれている。
○紀元前2世紀ー紀元後1世紀の間に書かれたもので、その時代に書かれた物として唯一のユダヤ教聖書の文書。
○断片は約800巻で、その30%がヘブライ語聖書。約25%が伝統的ユダヤ教の宗教文書、エノク書やレビの遺訓など。30%は聖書の注解、ユダヤ教の宗派の、信条や規則や入会条件に関する文書、という内容で構成されている。
○数百人程の職業筆記者によって書かれている事から、エルサレム神殿図書館から流出したものと考えられている。

実際行く前に、当時の死海周辺の歴史背景、ユダヤ教の事、そのエノク書やレビの遺訓等についても調べないと、行っても面白くないんじゃないかなぁ?

とは言え、今日行く予定なんです…。さて、前知識もなく行って楽しめるのでしょうか。と、朝五時半に起きて書いています。続きは帰ってから。

戻って来ました。

行って来た感想…

日本スゴい!(笑)

死海のモノを見て来て、何故日本はスゴいのかなんて不思議ですよね。展示自体は、死海を中心とした文化、死海そのものについての解説などもあって、前知識がなくても結構楽しめました。

しかし中学生の団体がいて、ちょっと展示を飛ばしてみてしまった部分もあります。

死海文書自体はかなーり慎重に展示、管理されていました。

ガラスケースに展示してありますが、数分おきに1分程度ライトがつきます。ライトに照らされた瞬間、皆でマジマジと凝視。しかし、そのライトもとっても暗くてヘブライ語が書いてあるのか、それとも他の言語が書いてあるのかなかなか見えない程でした。

しかも、思ったよりすんごい小さい!文字なんか5mmよりも小さい位の文字が規則正しくビッシリ書いてあったという感じでした。

この死海文書、「クムラン」という名の壷の中に保存されていたんです。クムランとは、もともと死海文書が発見された古代都市の名前です。そして、死海文書の紙はパピルス。長い時を経て、かなり劣化しており、文書はほとんど小さい小さい切れ端になっています。

それを研究者はつなぎ合わせて解読したようですが、この死海文書の小さい切れ端をつなぎ合わせて、保存する際に使用されたのが

なんと、和紙なんでございますよ。
死海文書をよく見ると、下に白っぽい紙があてられているのです。それが和紙だろうと思われます。

和紙は長持ちする、強い紙、とは聞いた事があるけど、死海文書と日本がこんな所で繋がるなんて…。

日本って割と不可能を可能にする国ですね。
身近にあるiPod、この鏡面仕上げも新潟県燕三条の小さい会社で(しか?)できないとか、あと「はらぺこあおむし」という絵本がありますが、ページ中程に穴をくり抜いた印刷、それも当初は日本の小さい印刷会社でしかできなかったそうです。

これらの例は和紙の話とは違って来るけど、日本、なかなかヤルな!今後、20年、30年の後も日本はこのまま行けるのか?是非行って欲しい…。そして、同時に昔から培って来た古いものも大切にして欲しい。

って、私は一体今日何を見に行ったと言う感じになってきました。(笑)

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