●焼け石にクレープ
先日のクレープについて書いた所、面白いコメントを頂きました。
まず、brunhildaさんから:
クロアチアにはパラチンケというクレープのような食べ物があって、英語ではパンケーキと呼ばれていた。
ちなみに、brunhildaさんのクロアチア人お義母さまによると、パラチンケのコツはスパークリングミネラルウォーターで生地をのばすことと、オレンジとレモンの皮の砂糖漬けのみじん切りを使うとの事です。
さらに、しのぶさんから:
ウィーンのクレープ状の食べ物がパラチンケンと呼ばれていた事。ルーマニアから来たものとレストランで教わった事。
興味津々で調べてみると、ドイツやオーストリー(オーストリアと言ったらダメだそうです。笑)ではクレープ状の食べ物をパラチンケンと呼び、確かにルーマニアからオーストリーに入ったそうです。言葉的にはハンガリー語のpalacsintaが語源だそうです。
そのpalacsintaも、元々はラテン語のplacenta(あのプラセンタ!?)が由来で、スラブ語圏ではpalačinkaと呼ばれているとも記載されていました。
という事で、中央から南ヨーロッパに広まっている薄型パンケーキの原型は、ローマ時代のplacenta?プラセンタというと、どうも化粧品に使われるものを真っ先に思い浮かべますが、これはローマ時代に食べられていた丸いお菓子だそうです。
どういうものだったかは諸説あるようですが、構造的にはラザーニエのようなものとある人は言い、別の人は中近東のデザート、バクラヴァのようなものだと言い、リコッタチーズを使うので、味的にはイタリアのチーズケーキみたいなものと形容する人もいます。
どっちにしろ、薄い層が重なった丸いデザートがplacentaのようです。
それが時を経て層が一層になり、パラチンケンやパラチンケと呼ばれる薄型パンケーキになったのでしょうか…?
それから、まあさんから頂いたコメント、ガレット!
ガレットはそば粉で作られたブルターニュ地方のクレープですが、そもそもこれが発展してクレープになったんですね。
ガレットは2000年前から作られていて、焼けた石の上に種を伸ばして調理されたそうです。(ガレットの語源は丸い小石を意味するGaletだそうです)
…なかなかワイルドだ…
フランスのガレット(クレープ)は、ローマのplacentaを起源にするものかどうかはわからないけど、2000年前と言うと時期的にはローマ帝国の時代ですね。
もしかしたらクレープ系の食べ物の鍵を握るのはローマ人かケルト人?
そういやイギリスでのパンケーキはクレープっぽいですね?これも実はローマ人かケルト人がイギリスに持ち込んだんじゃ疑惑。
私の頭の中では、さっきからケルト人が豪華で華美な装飾の道具を使用して、焼き石でガレットを焼いているシーンが流れています。
クレープ(ガレット、パラチンケ、パラチンケン、プラケンタ、パンケーキ…)とはなかなか奥深い食べ物なんですな〜。
コメント
プラセンタって、胎盤ですよね。「薄い層が重なった丸い食べ物」って胎盤をイメージしているのかしら。うーむうーむ。「薄い層が重なった丸い食べ物」からは、普通に「ミルクレープ」を想像してしまいました。
言葉の世界、食べ物の世界って奥が深いなぁ。
そういえば、故郷には「クレープ」を作る工場がたくさんあります。これは、食べるものではなくて布地の種類をあらわしていて、通気性がよくひらひらした生地で、パジャマなんかに使われてるんだったかなぁ。日本語で言うと「ちりめん」になるみたいです。
というわけなので「縮れてひらひらしている薄いもの」=「クレープ」と思ってました。
布と食べ物、どっちが先なんだ!
Posted by: まあ | 2009年01月27日 16:01
>まあさん
プラセンタって胎盤でしたね、どっちが先なんですかね。胎盤のプラセンタが先なのか、丸いお菓子が先なのか。でも胎盤をイメージしたお菓子はちょっと不気味な予感!
あと、ラテン語ではプラケンタと発音されるそうなので、この丸いお菓子はプラケンタと呼びたいと思います。(笑)
クレープ工場に一瞬ときめいてしまいました。(笑)
生地の事だったんですね〜!
そういえば、クレープの語源は絹だったかな?
「絹のような」でした。それがクレープの意味だそうです。
クレープは日本語ではちりめん、面白いですね〜
この場合は、布の方が先っぽいですね?
いやぁ〜、面白い情報、たくさんありがとうございます。
勉強になるなぁ。
Posted by: みぎぃ | 2009年01月28日 16:51