●ガイドのヤマダさん
新しくなった大学の校舎地階にある大学博物館に行ってみました。
以前、隣りのビルに入っていた商品陳列館と刑事博物館、考古学博物館が合体していました。まず最初に商品陳列館コーナーを話しながら歩いていると、呼び止められました。
「なんとなく商品が置いてあるとおもうでしょう」
…全然別の事を話しながら見てたらイカンですよね。スミマセンでした。
それから、博物館ガイドボランティアのヤマダさんがつきっきりで展示物の解説をしてくれました。
【商品陳列館のコーナー】
ヤマダさんが語る!
伝統工芸品は将来消え去るというお話。
有田焼は、もうすでに原材料となる石が日本では採掘されつくして品薄になっているので、朝鮮半島から材料を輸入している。しかし、それも先はないだろうという事。
日本で生産されている漆の90%だか95%は輪島塗に使用されている。
漆の栽培はほとんど岩手県と長野県で、一本の木を育てるのに20年もかかるそうだ。そして採取される漆は200g程度。それで確か作れる漆器は5個分…だったかな?記憶が確かなら。
その他の漆器の漆は中国から輸入されているが、それも値上がりしつつあるらしい。しかし他アジアの漆は日本の漆と比べて質が悪いので、日本の漆器には使えないそうだ。
母の友人に椅子デザイナー・椅子職人の宮本さんという方がいます。宮本さんは、椅子を制作するにあたり先祖の育てた木を使用するのだから、自分も使うだけでなく後世の為に木を育てるという事で、北海道に土地を購入して自ら木を育てているそうです。
輪島塗の協会も、それ程国内の漆を使用しているのだからもちろんこういう事しているんですよね?
しかし、後継者問題以前に原材料も先細りとは日本の伝統工芸の未来が…。なくなるのは本当に惜しい。
【刑事博物館のコーナー】
以前から拷問具等が常設されていた刑事博物館。学生時代、よくアイアンメイデンを見に自分も訪れました。(笑)
まず、江戸の警察コーナー
ふらちゃん共々、一番気に入ったのは捕縄。何故か色付きの縄が何種類か置いてあるのです。ヤマダさんの解説では、季節によってそれぞれ縄の色を分けていたらしい。容疑者をくくる縄だよ、縄。そこにまで季節感を表現するとは!
江戸時代ってカッコいい時代だよなぁ〜
すっかり、この捕縄のみで江戸時代に興味津々です。
そういえば、入れ墨というのは賭博等の犯罪者に入れていたものの事を指すそうです(都市別によって、その入れ墨の模様や入れる場所が変わる)。その他は彫り物と言うそうです。
その後、拷問具やら晒し首の台やら、磔刑の為の十字に組まれた木…
と思ったら、実際に磔刑に処せられた12歳の少年の生々しい姿や晒し首の写真まで展示してあった…(汗)場所は現在の横浜暗闇坂だそうです。
そして刑事博物館コーナー最後の目玉はもちろんアイアンメイデン、鋼鉄の処女です。初めて知ったけど、世界でも12体残るうちの1つだそうです。ちなみに、ドイツには5体残っているそうだ。
ずっとレプリカだと思っていたけど、本物だったとは…
って事は、その目の前のアイアンメイデンで処刑された人もいるって事か…(汗)
考古学博物館のコーナー…この時点でヤマダさんの解説も1時間半程経過(多分)。半分疲れてしまいました。ただ、日本には石器時代がないと言われていたそうですが、あった事を証明する石器を発掘したのが、母校の教授だったそうです(確か1949年頃)。ちなみに、ヤマダさんは考古学専攻卒で、土偶についての卒論を書いたそうです。土偶について熱く語ってもらいました。
博物館については以上です。二時間程に渡るガイドを務めて下さったヤマダさん、どうもありがとうございました。
続く